P-WRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)の第1戦「スウェディッシュ・ラリー」が、スウェーデンはカールスタッドを拠点に開幕した。「スウェディッシュ・ラリー」というと、ステージは雪と氷に覆われ、時にはマイナス30度にもなる厳寒のハイスピードコースとして知られてきたが、今年は地球温暖化の影響を受け、時にはスノー、時にはアイス、そして時にはグラベルという複雑な路面コンディションとなり、ドライバーにとっては非常に高度なテクニックが要求される開幕戦となった。そんなスウェディッシュ・ラリーP-WRCに、2台の車両がテインのラリーフラッグシップモデルTYPE Gr.Nを装着し参戦。SUBARU RALLY TEAM RUSSIAの43号車E.ベルトノフ選手と、SUBARU SWEDISH DEALER TEAMの59号車、P.フローディン選手である。また今回はP-WRCへのノミネートからは外れているものの、STOHL RACINGの76号車を駆るM.べネス選手もTYPE Gr.Nを装着し参戦した。
2月7日、カールスタッドのスーパーSSで幕を開けたスウェディッシュ・ラリーは、翌8日からカールスタッドの北へとステージを変え、本格的な戦い開始となった。7日のシェイクダウンでサスペンションに好感触を得ていたP.フローディン選手は、SS2こそ2回のスピンをしてしまうが、その後はコンスタントな走りを披露。徐々に順位を上げ、デイ1をP-WRC3位で終了する。新型インプレッサで出場したE.ベルトノフ選手もSS4こそパンクのために順位を落としてしまうが、その後はこちらも徐々に順位を上げてP-WRC10位にてデイ1をフィニッシュした。
好調な走りを見せるテイン勢であったが、翌9日のデイ2ではアクシデントがテイン勢を襲う。前日まで3位と高位置につけていたP.フローディン選手がSS9でコースオフ、スタックしてしまう。何とか自力でコースに戻ったものの、13分ものタイムロス。またその際の衝撃でフロントバンパーを失ってしまった。フロントバンパーがない状態で何とか走っていたP.フローディン選手であったが、フロントバンパーを失ったことが更なる悲劇を招く。バンパーがなくなったことで、雪や飛石に容赦なくさらされ続けたラジエターがついに音をあげ、SS11でラジエターが破損。走行できなくなりデイ2の走行を断念しスーパーラリーに臨むこととなった。一方、10位でデイ1を終えていたE.ベルトノフ選手もデイ2の同じSS11にてコースオフ、車両後部に損傷をおってしまい走行不能でリタイアとなった。
P.フローディン選手は、翌10日、スーパーラリーで見事復活。SS16では2位に4.5秒の差をつけP-WRCトップタイムをたたき出し、存在感をアピールする。その後も順調な走りをみせたP.フローディン選手であったが、しかしデイ2中断を挽回することはできず、P−WRC23位で初戦スウェーデンでの戦いを終えることとなった。 |