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波乱のラリーで健闘、クザイが自己最高の2位入賞!
ヴェルツノフも4位、フローディンも6位入賞! TEIN勢が母国ジャパンで躍進!
2007年のP-WRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)第6戦「ラリージャパン」が10月26日〜10月28日、北海道帯広市を舞台に開催された。ステージは例年どおり、レグ1、レグ2は陸別、足寄、レグ3は新得エリアに設定。いずれも道幅の狭いツイスティな林道コースで、SUBARU POLAND RALLY TEAMの41号車(スバル・インプレッサGDB-F)を駆るL.クザイ、STOHL RACINGの43号車(三菱ランサー・エボリューション9)を駆るC-S.デイビッド、50号車(スバル・インプレッサGDB-F)を駆るP.フローディン、SUBARU RALLY TEAM RUSSIAの53号車(スバル・インプレッサGDB-F)を駆るE.ヴェルツノフら4台のTEINユーザーがこの難攻不落なラリーにチャレンジした。
例年より遅い10月末の開催でステージ脇の草木が枯れたことから、WRカーの多くがインカット走行を実施。そのため、グループNのライン上に鋭利な石が散乱するほか、26日の夜半より雨に見舞われたことから、レグ2はマッドな路面コンディションに変貌したため、序盤から数多くのドライバーが脱落するサバイバルラリーが展開される。そのなかで、終始安定した走りを披露したのが、ポーランド選手権の王者、クザイで自己最高位となる2位に入賞。デイビッドは11位に留まったものの、ヴェルツノフが4位、フローディンが6位でポイントを獲得するなど、3台のTEINユーザーが上位入賞を果たした。
TEINの母国イベント、ラリージャパンが25日、帯広市内を舞台にしたセレモニアルスタートで幕を開けた。翌26日には陸別、足寄方面の林道で本格的な競技がスタート。そして注目のオープニングステージでベストタイムをマークしたのが、TEINユーザーのひとり、フローディンだった。今回がジャパン初挑戦となるフローディンはその後も好調でSS2、SS3を制覇。続くSS4でも4番手タイムをマークし、午前中のループをトップでフィニッシュする。が、午後のループのセカンドステージ、SS6ではペースノートのミスで痛恨のコースオフを喫し、そのままスタッグ。なんとかラリーに復帰するものの、12分をロスしてしまい、レグ1を14番手でフィニッシュすることとなった。
とはいえ、この日は多くのドライバーが脱落するサバイバルラリーが展開されることとなり、落ち着いた走りを披露したヴェルツノフが4番手でレグ1をフィニッシュする。さらに、SS3のパンクで出遅れていたクザイも6番手でフィニッシュするほか、ジャパン初挑戦のデイビッドも入賞圏内の8番手でレグ1を走り終えた。
明けた翌27日のレグ2は前日夜の雨の影響でマッドな路面に変貌。そのため4番手に付けていたヴェルツノフがSS12でコースアウトしていた他のマシンに接触し、リアの足まわりを破損するなどハプニングが続出する。そのなかで、素晴らしい走りを見せたのが6番手のクザイで、序盤はタイヤ選択のミスでペースが上がらなかったものの、コースアウトやパンクで脱落するライバルを尻目に3番手にジャンプアップ。さらにリアサスペンションの破損でペースを落としていたヴェルツノフもマシン修復後は復調を果たし、5番手でレグ2をフィニッシュした。
一方、エアフィルターの目詰まりによるパワーダウンとリアのスタビライザーを破損したことでトラクション不足に苦戦していたフローディンも粘り強い走りを披露。7番手のデイビッドに続いて、8番手でレグ2をフィニッシュした。
そして28日のレグ3では3番手に付けるクザイが後続のドライバーに交わされるものの、2番手に付けていたドライバーが脱落してことによってクザイが再び3番手をキープ。最終SSではデファレンシャルギアのトラブルでハーフスピンを喫したが、なんとかポジションを守り切りクザイが3番手でフィニッシュした。一方、7番手に付けていたデイビッドはデファレンシャルギアのトラブルで12番手に後退するものの、レグ3をノートラブルで走り抜いたヴェルツノフ、フローディンらも、それぞれ5番手、7番手でフィニッシュする。さらにラリー終了後の車検で 2番手に付けていたドライバーがレギュレーション違反で失格となったことから、クザイが自己最高位となる2位入賞を果たすほか、ヴェルツノフが4位、フローディンが6位でポイントを獲得。3台のTEINユーザーが上位入賞を果たした。
■担当エンジニアのコメント(テイン開発課/菅野一平氏)
「今回はニュージランド戦の仕様をベースにセッティングを実施。ジャパンの林道は荒れやすいので、スプリングレートを低めに設定、荒れた轍に対応できるようにファーストループ、スタートは車高を低めに、セカンドループでは車高を上げるなどの調整をしました。月曜日の合同テストから順調な仕上がりで、ラリー期間中の変更もクザイとヴェルツノフの車高をステージに合わせて変更した程度。ハプニングが続出する荒れたラリー展開となりましたが、足まわりに関しては特に問題がなく、スイートスポットが見つけられたと思います。第7戦のアイルランドは荒れたターマック路面なのでポーランド選手権で得たデータをもとにセッティングを実施。第8戦のGBもジャパンのセッティングをベースにコンディションに合わせた調整を行ないたいと思います」
Pos.
No.
ドライバー/コ・ドライバー
車両
タイム
トップとの差
備考
1
54
G.ポッゾ/D.スティッロ
MISTUBISHI LANCER EvoIX CT9A
3:45:50.6
-----
総合9位
2
41
L.クザイ/C.パリー
SUBARU IMPREZA GDB-F
3:48:30.7
+2:40.1
TEINダンパー使用
総合11位
3
52
T.鎌田/N.加勢
SUBARU IMPREZA GDB-F
3:48:39.0
+2:48.4
総合12位
4
53
E.ヴェルツノフ/G.トロスキン
SUBARU IMPREZA GDB-F
3:50:41.7
+4:51.1
TEINダンパー使用
総合17位
6
50
P.フロウディン/M.アンダーソン
SUBARU IMPREZA GDB-F
3:58:39.6
+12:49.0
TEINダンパー使用
総合21位
11
43
C-S.デイビッド/M.E.ベルディ
MISTUBISHI LANCER EvoIX CT9A
4:10:52.6
+25:02.0
TEINダンパー使用
総合30位