2007年のCRC(チャイナラリー選手権)第5戦「チャイナラリー」が11月9〜11日、中国浙江省の龍遊を舞台に開催された。同イベントはAPRC(アジア・パシフィック選手権)第7戦、IRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)第9戦との併催で、万宇チームで三菱ランサー・エボリューション9を駆るD.ヒギンズ、F.ファン、Q.チャンのほか、SUBARU RALLY TEAM CHINAでインプレッサGDB-Fを駆るD.ヘリッジ、M.リュー/市野諮、L.ウェイがエントリー。さらにGiTiタイヤのJ.サロがスバル・インプレッサで参戦するなど計7台のGr.Nダンパー装着車がトップクラスのN4にチャレンジした。
龍遊の山岳エリアに計16本、223.37kmのグラベルステージが設定され、序盤から数多くのドライバーが脱落するサバイバルラリーが展開。ヘリッジがレグ1でミッショントラブルに見舞われてマシンを止めるほか、リューがステアリングで右手を痛めてレグ2を棄権、ファンがレグ2でコースアウトを喫しリタイアするなど、TEINユーザーも苦戦の展開を強いられるものの、ヒギンズが今季負け知らずの5連勝を達成。この結果、TEINがサポートする万宇チームがチームズ部門のタイトル「チームカップ」を獲得した。
CRC最終戦となるチャイナラリーは9日、1.82kmのスーパーSSで幕を開けた。ここで順調な出足を見せたのが、SUBARU RALLY TEAM CHINAのエース、ヘリッジでCRCの3番手タイムをマーク。翌10日には山岳エリアのグラベルステージで本格的な競技がスタートするものの、ヘリッジはここでも好調でSS2、SS3でトップタイムを叩き出し、最初のループをトップでフィニッシュした。
が、午後のループのファーストステージ、SS5でヘリッジのマシンにミッショントラブルが発生。なんとか同ステージを走り切るものの、その後の走行を断念する。さらに、SS8ではCRCの6番手に付けていたリューがステアリングのキックバックで右腕を痛めてしまい、翌11日のレグ2を棄権することとなった。
まさに予想外のハプニングが続出するものの、ここまで4勝を挙げている万宇チームのエース、ヒギンズがコンスタントな走りを披露。レグ1をCRCのトップでフィニッシュする。さらに翌日のレグ2ではチームメイトのファンが最終ステージでクラッシュを喫しリタイアするものの、ヒギンズは安定した走りでポジションをキープ。総合2位でCRC今季5勝目とIRC初優勝を獲得するほか、万宇チームが昨年に続いて07年のチームカップを獲得した。
なお、サロもCRCで4位、ウェイが同6位、チャンが同7位でフィニッシュ。最終戦でもTEINユーザーが上位入賞を果たし、そのパフォーマンスをアピールしている。