


中国最高峰のレースシリーズ、CCCがついに開幕した。TEINがサポートする778レーシングチームの2台は水曜日のウェット、ドライの木曜日、金曜日と順調にテストプログラムを消化。コンディションに合わせたセッティングを確認する。その結果、7日の土曜日は午前中から激しい雨に見舞われ、1600ccクラスの2回目のフリー走行がキャンセルされることとなったが、TEINのエンジニアのアドバイスで冷静に対応。ウェットコンディションで行なわれた午後の予選でも順調にタイムを伸ばして行き、21号車のシャオフンが5番手タイム、20号車のチャオハンが7番手タイムをマークした。
明けた翌8日も午前中は雨に見舞われて、フリー走行もハーフウェットのなかで行なわれたものの、天候が回復し、路面コンディションもドライに急変する。20号車のチャオハンはエンジントラブルでフリー走行を見合わせたが、21号車のシャオフンがレインセッティングのまま、スリックタイヤを装着し、マシンの挙動をチェックした。
そしてチームとTEINは決勝30分前にミーティングを行ない、ドライ用のセッティングに変更して決勝にチャレンジ。この判断が功を奏し、ドライで行なわれた決勝では2台ともに素晴らしいパフォーマンスを披露した。
まず、5番手グリッドのシャオフンが好スタートで2番手に浮上。さらに7番手グリッドのチャオハンも5番手で第1コーナーへ続く。まさに2台揃って表彰台の獲得が期待されていたのだが、5番手のチャオハンが第2コーナーで後続車に追突されてハーフスピン。すぐにレースへ復帰するものの大きく後退することとなった。
一方、2番手でオープニングラップを迎えたシャオフンは、その後もポジションをキープしながらトップを追走する。しかし、非力なエンジンパワーに苦戦し、トップの独走を許すほか、中盤で後続の3台にかわされて5番手に後退することとなった。
が、シャオフンはその後も必死の追走を披露。上位に付けていたドライバーがマシントラブルでリタイアしたことにより、シャオフンが開幕戦で4位入賞を果たした。
また、チームメイトのチャオハンも3度のスピンを喫しながらも、最後まで粘り強い走りを披露。17ラップを走り抜き、6位でチェッカーを受けている。
なお、2000ccクラスでは日産サニーを駆るG.ガージョンが2位入賞。TEINユーザーとして初の表彰台を獲得している。
■担当エンジニアのコメント(テイン開発課/滝沢良)
「日本のデータをベースにCCC専用のダンパーを開発しましたが、ベース車のキア、CCCのレギュレーション、タイヤともにTEINとしては初めてだったので、その対応に苦労しました。リンクのボールジョイントがピロボール化されていて、チームのオリジナルのスタビライザーが装着されているので足まわりがハード。そのため、スプリング・減衰力をソフトへ変更し、接地性を確保するセッティングを行いました。今回のレースではドライ、レインともに様々なデータを得ることができましたので、次回の北京に向けてセッティングを煮詰めたいと思います」
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