ジェショフスキーラリーは、ポーランドの南東部にあるジェショフ市を中心として行われる、ポーランド国内選手権第4戦のターマックラリーとなる。前回のスバルポーランドラリーでデビュー戦優勝を遂げた、テインGr.Nダンパーターマック仕様は、更なる栄冠を目指し参戦した。

今回のコースは、前回に比べ路面はスムースでありハイスピードな戦いとなった。

競技エリアは、初日のスーパースペシャルステージがジェショフ市内、レグ１、レグ2に移ってからは、ジェショフ市近郊の丘陵地帯で行われた。

今回のステージも、コース幅1．5〜2車線程度で中高速のフラットな舗装路である。前回の舗装路が石畳だとすると、ここは日本の高速道路？と見まがうばかりの良路である。

尚、クザイ選手は、今年ポーランド国内選手権で使用している’06仕様のインプレッサを、次戦P-WRCラリージャパンに投入するため、今回は、P-WRCギリシャで転倒した’05仕様のインプレッサを修理しての参戦だ。

現在ポイントリーダーのクザイ選手は、今回のラリーで勝ちチャンピオンを決めたい所だ。

ラリーステージ近郊、スレドリスカの丘陵地帯で行われたオフィシャルテストは、幅1.2車線で中高速のターマックだった。コースは、農村の軒先からはじまり、普段は農道として使用される程度の丘を超え駆け抜けて行く。クザイ選手は、自分の車のセットアップもそこそこに､コドライバーシートに自チームの若手を乗せ、さながらラリードライビングスクールとなった。

勿論、自分の車にはテインGr.Nダンパーが付いており絶対の自信がある。チャンピオン争いでマークしているソロボブ選手を優に凌ぐ好タイムを記録していた。

そして、プロローグは、ジェショフ市中心部のヴィスロク川のザムコビー橋を封鎖し、側道と河岸の駐車場を回り約2kmのコースを設定、その周回を2周するものである。18時30分スタートの会場は、市中心部とあってどこも鈴なりの観客である。
このプロローグでは、出走順が早くコースのクリーニング役となったばかりか、前走車に追いついてしまった。そのため、不本意な7位に終った。

レグ１は、このラリーでも昨夜半から降り出した雨が断続的に降り続いていた。しかし、SS1が終る頃には晴れ間が見えはじめ、SS2~3ではコースも木陰を残しドライとなって行った。そんな中、クザイ選手はSS1、で2位を20秒引き離し、独走態勢に入ろうとしていた。ところが、トランスミッションに異常な振動が発生！SS2でも後続を引き離すことができたが、SS3では3位となり、続くサービスBでは20分のサービス時間で、トランスミッション、クラッチを交換する事となった。チームの精鋭メカニックが敏腕を揮い、時間内で完璧にこなした。しかし、状況は改善されず、SS5をスタートして2kmほど行った所で、今度はエンジンが音を上げた。エンジンルームで何かが爆発し、炎を吹き消火器のお世話になるほどであった．．．．万時休す。エンジンブローでクザイ選手のジョシェフスキーラリーは終った。

しかし、自チームに今回より加入した若手のフリッチ選手にテインダンパーを託すこととなり、テインGr.Nダンパーのジョシェフスキーラリーはまだ終らない。

そのフリッチ選手は、今回初めて乗ったインプレッサ（05仕様）で現在3番手、前戦までフィアットのスーパー1600で見せていた速さは本物のようだ。

ところが、ダンパーを交換した直後のSS7の狭いストレートでスピン。再び降り出した雨に足をすくわれたかたちだが、逆方向を向いて止まったためにスピンターンで復帰を試みるが、なんと大失敗し転倒。これで大幅にタイムロスを喫したものの、次のSS8では無難にまとめ何とか7位に留まった。

レグ2の朝は、さわやかな晴れ間が見られた。クザイ選手よりテインGr.Nダンパーを託されたフリッチ選手は、この日4つのSSで好タイムをマークし、テインGr.Nダンパーと共にそのスピードをアピールし、7位でゴールした。

次戦は、9月のニコンラリーである。テインは、クザイ選手のチャンピオン獲得を目標にサポートして行く。