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中国国内ラリー選手権(CRC)
〜第4戦 龍游〜
2006.11.25〜27
アジアパシフィック選手権とのダブルタイトルで開催されるも、
ラリーは初日から波乱続き…
中国国内選手権(China Rally Championship)第4戦は、中国東部浙江省の「龍游(Longyou)」を中心に行われた。観光名所で有名な杭州から高速道路で2時間程度の位置にある。
ここ龍游は周囲を山に囲まれた中堅都市で、コース設定はツイスティーで急勾配のヒルクライムステージや、いくつかの村を通り抜ける中低速なコースが多いが、折からの長雨でコースはかなりぬかるんでおり波乱も予想された。また今回のはAsia Pacific Rally Championshipも併催で行われAPRCのタイトルを争う選手も参加しレベルの高い戦いが期待された。
今回のテインユーザーは、スバルラリーチームチャイナのインプレッサ(GDBF)が3台、13号車 鎌田/市野組、16号車 池町/仲田組、24号車 李徴/鄭筅組、及び台湾の映画俳優=林志頼が率いるジミーレーシング及び万宇ラリーチームのランサー(CT9A)が4台、前回優勝の11号車ユハ・サロ/ミカ・ステンベルグ組、19号車 林志頼/李佳組、12号車 デビッド・ヒギンズ/イーエン・トーマス組、そして万宇ラリーチームのオーナーでAPRCにも参戦している8号車 Fan Fan/Junwei Fangと合計7台をサポート。


11月22日(水) プライベートテスト
11月20日(月)に樊凡とデビッドはテストを終えており、この日はユハと林志頼のテストを行う。テストに使用した林道は締まった赤土に多少の砂利が混じっており、気温も低く折からの雨でとても滑り易い。
テストコンディションとしては決して良い状況ではなかったが、前回のラリーでセッティングが煮詰まっていた事もあり、最悪のコンディションながらも4台のCT9Aのランサー勢はテインGr.Nダンパーを順調にセットアップしドライバーも納得のゆくセッティングが得られた。
スバルラリーチームでは、13号車 鎌田/市野組と24号車 李徴/鄭筅組の2台が、SS1でも使用するクローズドのグラベルコースで行われた。こちらも雨でコース状況は決して良くはなく、また貸切コースでもあることから時間も限られた中でのテストであるにも関わらず、コース整備をしていた作業員とコースオフィシャルが何やら中国語で口論が始まりテストが中断するなど、相変わらずの波乱ぶりであるが、その合間ににスプリングレートの設定を替えて最後に試したセッティングは理想に近いもので、ドライバーも納得の走りを得ることができ、チーム関係者らもラリー本戦での走りに期待を寄せるものである。


11月25日(土) セレモニアルスタート&SS1/SS2 (レグ1 パート1)
SS1は、1.8km程度のダートトライアルコースであったが、APRCポイントランキング1位のコーディークロッカーがトップ、2位は田口選手、3位に13号車 鎌田/市野組、5位に柳沢選手と日本勢が上位を占める中、ユハが9位、デビッドが11位とさすがの欧州トップドライバー勢はここでは苦戦。また、今回初めてテインGr.Nダンパーを得て気合も入る8号車 樊凡は残念ながら、ミッショントラブルからコース脇に乗り上げて車が横転。SS1でリタイヤと残念な結果となる。
SS2は狭くて路面は泥濘、ツイスティーでトラクション勝負と云われる全長15kmのコース。
ここでもコーディーがトップ。さすがにここではユハが2番手とフィンランド人の実力を見せる。
初日の競技はSS1/SS2のみで行われ、初日のテインユーザーのポジションは2位にユハ、5位 鎌田、9位デビッド、18位 池町、21位 李、26位 林という結果。


11月26日(日) レグ1 パート2
この日のスペシャルステージは中速ヒルクライムと云われるSS3,6,9のChen Cun(5.5km)と序盤ターマックでハイスピードなSS4,7,10のDu TouCun(23.17km)、幾つかの村を通り抜けツイスティーなSS5,8,11のBo JingTang (10.90km)の9つのステージで行われる。コンディションは相変わらずの雨である。
前回優勝で期待の大きかった11号車ユハ・サロ/ミカ・ステンベルグ組は何とSS5でガス欠リタイヤ。ぬかるんだコンディションで登りも多いなか、左足ブレーキを多用するユハの走りは予想以上に燃費が悪くSS 合計約40km、走行区間合計約120kmのコースで45L近くを消費した計算となる。
19号車のデビッドは最悪のコンディションに苦しみながらもセッティングを細かく変更し徐々に走りが向上し総合3位(中国選手権1位)に浮上。一方、13号車 鎌田/市野組は車輪をヒットしてタイロッドを曲げるなどのトラブルでタイムロスするも、テインGr.Nダンパーのセッティングがばっちりと決まった事でコーディーを押さえてSS6,7,8でトップタイムをたたき出し、レグ1を終え総合6位(中国選手権2位)に浮上。2台とも上昇基調でAPRC勢と互角の勝負を演じ、総合争いでも上位に食い込みレグ2に大きく期待が寄せられる。


11月27日(月) レグ2&ゴール
今日のスペシャルステージは、狭くてツイスティー、泥濘でトラクション勝負といわれるSS13,15,17のShi Yuan(15.38km)と、かなり急勾配なSS12,14,16のSan MenYuan(16.33km)を3回づつアタックする。
天候は若干回復し曇り時々雨、デビッドの走りに期待がかかるもSS13でターボ異常でスローダウン、3分のロスを余儀なくされ総合5位に(中国選手権3位)に後退。
代わってSS13でトップタイムをたたき出した鎌田/市野組が総合3位(中国選手権トップ)に浮上。
鎌田/市野組SS12でロワ−アームを曲げてトップに大きく遅れながらも脅威の追い上げである。
デビッドは2度のタービン交換にもかかわらずターボ異常が改善せず、ずるずると順位を下げ総合8位(中国選手権5位)まで順位を落とす事に。走りは決して悪くはないが、前回同様マシントラブルに泣かされている。サスペンションには満足して走ってくれているだけに非常に残念である。
SS17がキャンセルとなり、最終SSを残して鎌田/市野組に全ての期待がかけられるものの、ラリーは最後まで本当に分からない。何とロアーアームのボールジョイントが外れるトラブルが発生しコースアウト、そのままリタイヤとなってしまう。あと1SSもってくれなかったのか…残念な結果に終わる。これがラリーでもあり逆の立場で見ればこれもラリーの魅力かも知れない。結果的にテインサポートドライバーの完走はデビッド1台という誰も予想し得なかったものであった。


今回の最終戦では良い結果は出せなかったが、ドライバー始めチーム関係者からはGr.Nダンパーに高い評価を得られ、来年も引続きこの熱き中国ラリー選手権をサポートしていく予定です。
テインユーザーの活躍に期待してください。
成績
Pos No Dr./Co-dr. Vehicle Class SS Time Penalty Total Diff Leader 備考
1 1 C.Crocker/B.Atkinson GDB N4(AP) 3:14:32.5 - 3:14:32.5 - -
2 14 R.Mason/S.Randall GDB N4 3:20:22.3 - 3:20:22.3 05:49.8 -
3 3 H.Yanagisawa/T.Misaizu GDB N4(AP) 3:22:56.4 - 3:22:56.4 08:23.9 -
8 12 D.HiGGINS/I.Thomas CT9A N4 3:36:07.1 - 3:36:07.1 21:34.6 テイン製Gr.Nダンパー装着
R 13 T.KAMADA/H.ICHINO GDB N4 - 02:30.0 - - テイン製Gr.Nダンパー装着
R 11 J.SALO/M.STENBERG CT9A N4 - - - - テイン製Gr.Nダンパー装着
R 19 J.Lin/H.Hou CT9A N4 - - - - テイン製Gr.Nダンパー装着
R 24 W.Li/X.Guo GDB N4 - - - - テイン製Gr.Nダンパー装着
R 8 F.Fan/J.Fang CT9A N4(AP) - - - - テイン製Gr.Nダンパー装着
R 58 王翔/王彬 EK4 N2 - - - - テイン製ダンパー装着
スタートを待つデビット/イーエン組
スバルラリーチームチャイナのサービス 前回優勝のユハ・サロ。
今回は残念ながらガス欠でリタイヤ
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