中国国内選手権(China Rally Championship)第2戦は、中国中西部貴州の山間の街「六磐水(Riupanshui)」を中心に行われた。この地域は、広大な中国の中でも昆明を挟んでミャンマーやラオス、ベトナムに近く四方を山に囲まれている。その山影も中国独特のもので、その標高に対し底面が非常に狭く、中国の名勝「桂林」に相通ずるものがある。
ラリーはこれらの山道や、麓の丘陵地をステージとして行われた。コースは固く締まった土の中に大きな岩が埋もれており、さしずめ岩畳の路面から、赤土と砂利の混じった泥濘路といずれも難しい路面である。
テインでは、スバルラリーチームチャイナの2台のインプレッサGDB、15号車 鎌田卓麻/市野諮組
と、30号車 李徴/鄭筅組に加え、今回から4台のCT9A、台湾の映画俳優=林志穎が率いるジミーレーシングの25号車 林志穎/李佳、18号車 ユハ・サロ/ミカ・ステンベルグ、万宇ラリーチームの17号車 デビッド・ヒギンズ、生活無限ラリーチームの19号車 アリスター・マクレ−、ゴードン・ノーブルにもGr.Nダンパーを装着しサポートする。
そして、今回からテインはミーティングやO/Hも可能なサービストラックを準備しサポートに当たった。
エントリー総数は、なんと103台!
7月19日(水) プライベートテスト
昨晩からの雨も上がり、梅雨の合間特有の蒸し暑さのもと、各チームによってステージ周辺の林道を封鎖しプライベートテストを行った。CT9Aのランサー勢は、チーム母体が同一なため4台とも合同でテストを行い順調にセットアップを進めていった。スバルラリーチームでは、テインサポートの2台に加え3台目に103号車唐広任/林曦のカスタマーも加えてのテストとなった。しかし、スバルチームのテストでは、鎌田車の走行中に封鎖していたはずの林道へ石炭満載のダンプが突然進入した。どうにか正面衝突は避けられたものの、この際にコースアウトした車両は、約100mほど崖から転落するという思いも寄らないアクシデントが発生。車両は全損しラリー本番は欠場となった。幸いクルーは軽症で済んだ。
7月21日(金) セレモニアルスタート
17:00より市内中心部の非常に大きな交差点でスターティングセレモニーが行われた。全てのラリー車がランプを超えスタート。パルクフェルメへと向かった。
7月22日(土) レグ1
この日のスペシャルステージは、SS1、3、5の法那(15.41km)とSS2、4の百車河(24.26km)である。
今日のSSは、道幅は2車線弱の岩畳のワインディングである。同じコースを2,3度使うため、1本目は、比較的泥に隠れていた岩も2本目にはしっかりと顔を出してくる。
前回の上海で優勝した18号車アリスターはSS1で転倒、地元中国の有力選手、前回2位の1号車徐浪のCT9Aもパンクでロスするなど波乱の幕開けとなった。
尚、スバルチームチャイナから、鎌田選手欠場により3台目の唐選手へ、テインGr.Nダンパーを装着したいとのオファーがあり、昨日のセレモニアルスタートからこれに対応した。テインのサポートする各車は、転倒したアリスターを除きセカンドグループにつけ上位を狙っていた。
7月23日(日) レグ2&ゴール
今日のスペシャルステージは、SS6、8の玉舎(20.68km)とSS7、9の甘塘村(13.5km)を2回づつアタックする。ステージは、昨日とは変わり廿楽折れの山道+ストレートの赤土と砂利の混じった泥濘路である。
そして、セカンドグループにいたテイン勢の中から、17号車ヒギンズ/トーマス組は、ペースを上げトップに、18号車ユハ/ステンベルグ組みは4位へと踊り出た。
ヒギンズは、Gr.NダンパーCT9A用の開発ドライバーである。他の誰よりもテインGr.Nダンパーを知っている。そのアグレッシブな走りで残すSSは1つとなった。
ところが、ここでも勝利の女神は微笑んでくれなかった。
トップを行く17号車ヒギンズ/トーマス組のエンジンが突如オーバーヒート気味になり、パワーが出なくなってしまった。そのため、僅差で追っていた12号車ミエッテネン/マークラ組に交わされ無念の2位で終った。
尚、スバルチームチャイナでは30号車李徴/鄭筅組が大健闘の7位に入り、中国人若手有力選手である事を証明した。
ベテランには勝つためのサスペンション、若手には飛躍のためのサスペンションとして、常にテインGr.Nダンパーはラリーの最前線を支えていた。
次回は9月中旬の開陽である。乞うご期待。 |